詩情の楽園高橋忠彌の世界展
1937(昭和12)年、岩手県で教師をしていた高橋忠彌は、教育現場を揶揄したことで教職を追われ上京、画家として歩み始めます。以後、独立美術協会を中心に活動を展開。同郷の詩人である宮沢賢治の文学に触発され、文学性や詩情味あふれる独特の表現世界を確立してゆきます。松本竣介、澤田哲郎ら同郷の画家仲間と互いに影響しあい、戦中から戦後にかけての厳しい時代のなか、芸術に青春を燃やしました。
1965(昭和40)年にはパリに居を移した高橋は、新たな表現技法である空気遠近法を獲得して76(昭和51)年に帰国。以前にもまして叙情性に富んだ、夢の世界へといざなうかのような新たな表現へと移行します。ヨーロッパの風は、彼に新たな造形性をもたらしたといっても過言ではありませんでした。
高橋忠彌を語るとき、そのキーワードは「文学」と「ヨーロッパの空気」そして「書」です。一見いずれも違う方向を向いているかのようなこれらは、彼のなかでは必然のような調和をみせています。なかでも欠かすことのできない仕事として、「忠彌文字」といわれる独特の書体を使った、数多くの装丁やグラフィックデザインの仕事があり、書家、デザイナーとしての一面も見逃すことはできません。
この度、昭和全期を通じて多彩な才能を発揮した高橋忠彌の造形世界を、あらためて見直す契機としたいと思います。
開催期間 | 2019/3/1~2019/4/14 |
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開催時間 | 午前8時30分 から 午後5時 まで (入館は午後4時30分まで) |
開催場所 | 萬鉄五郎記念美術館 |
住所 | 花巻市東和町土沢5区135 |
お問い合わせ | 萬鉄五郎記念美術館 0198-42-4402 |
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